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消費税申告とは?消費税確定申告・中間申告カンタンガイド【2020年版】

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海堂さん
消費税の課税事業者は、消費税の申告が必要なの?
確定申告と消費税の申告って何が違うの?
田中さん

確定申告は聞いたことがあっても消費税の申告はしたことがない、わからない、という方は意外と少なくありません。

新たに起業された方や個人事業主、また法人の経営者の方で、これまでは消費税申告は必要なかった方でも今後は必要となる可能性はあります。
特に消費税が10%に増税したことで導入されたインボイス制度によって大半の個人事業主や中小企業が影響を受けることになってきます。

この記事を読むことで消費税の申告基礎知識がわかります。申告方法までしっかりと理解し前持った準備をしていけば不安はありません。

消費税申告とは?

 

消費税というのは、お金を払う時に一緒に支払っているものです。もちろん消費税というのは消費者や仕入や経費の中にも含まれています。

この受け取った消費税は一旦預かったお金なので、これを決まった期日に消費税額を確定して国に申告する必要があります。

これが「消費税の申告」です。正確には経費や売上で発生した消費税を計算するルールになっています。

下図が消費税を預かってから納めるまでの一つの例になります。

メモ

1.レストランで食事をした人が払った消費税をレストランが受け取ります。
2.レストランは食事として提供している食材を仕入ています。
3.「売上分の消費税 ー 食材仕入時の消費税」を差し引いた分が納税する消費税額になります。

消費税申告が必要なのは「課税事業者」

納税する消費税の考え方はわかったけど、事業者全てが消費税を納める必要があるの?


全てではありません。消費税の課税事業者は、必ず消費税の確定申告をする必要があります

消費税の課税事業者ってどんな人?
前々年の売り上げが1,000万円超または、消費税課税事業者届出書を提出した事業者です

反対に消費税の申告が不要なのは免税事業者になります。免税事業者は売上が1,000万円以下が条件です。免税事業者か課税事業者かわからない場合には

こちらのフローチャートでチェックしてください

免税事業者は、本来納税すべき消費税が発生しても、申告しないで消費税をそのまま手元に残すことができます。

現在免税業者の方はこちらもお読みください。ただしインボイス制度の導入により今後は免税事業者でいることはデメリットも大きくなります。免税事業者のデメリットについても併せてご確認いただけます

インボイス制度って何?~個人事業主と中小企業への影響がすぐわかる

続きを見る

 

海堂さん
消費税の確定申告の期限はいつ?
中間申告はいつまでにすればいい?
田中さん

消費税の申告をしなければならない課税業者は、課税方式を選択したり、申告書類の準備をしていく必要があります。中間納付なども含め納付にも期限があります。消費税の申告で必要となることをそれぞれ説明していきます。

 

消費税確定申告で課税方式を選ぶ

消費税の確定申告は2種類の課税方式から選択をする

消費税の確定申告書は、2種類あります。

消費税確定申告書の種類

  • 原則課税方式
  • 簡易課税方式

 

それぞれの課税方式には、メリット・デメリットがありますので、解説していきます。

原則課税方式とは?

原則課税方式とは、売上に対する消費税から、仕入れに対する消費税を差し引いた残りの消費税を納める方法です。

<原則課税方式の計算方法>

課税売上げに対する消費税額-課税仕入れに対する消費税額=消費税額

原則課税方式のメリットは、納める消費税を正確に計算できる点。

利益がほとんど発生していない場合には、納める消費税もほとんど算出されません。

また、売上の消費税よりも仕入の消費税の金額の方が大きい(赤字)場合には、消費税の確定申告をすることで、マイナス部分の消費税が還付されます。

一方、デメリットは、消費税の確定申告の計算が複雑な点です。

2019年10月から軽減税率が導入されますので

一般税率(10%)の商品と軽減税率(8%)

の商品を分けて計算しなければなりません。

また、課税仕入れに対する消費税額を控除するには、帳簿及び請求書等の保存しなければなりませんので、帳簿管理は必須です

 

簡易課税方式とは?

簡易課税方式とは、売上に対する消費税にみなし仕入率を乗じて、納付する消費税額を計算する方法です。

簡易課税方式が利用できるのは、売上が5,000万円以下の課税事業者であり、適用する場合には「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要となります。

<簡易課税方式の計算方法>

課税売上げに対する消費税額-(課税売上げに対する消費税額×みなし仕入率)=納付する消費税額

簡易課税方式のメリットは、消費税の計算が非常に簡便になること。

売上に対する消費税にみなし仕入率を乗じるだけなので、計算が簡単です。

デメリットとしては、みなし仕入率は実際の仕入れ金額とは違うため、本来納める消費税よりも多く消費税を納める可能性があります

また、みなし仕入率は売上の消費税に対しての割合を乗じますので、必ず納付消費税額が発生します。

原則課税方式の計算であれば、消費税が還付になる計算であったとしても、簡易課税方式では消費税を納付するケースもあります。

なお、みなし仕入率は、事業内容の業種別で異なります

<業種別みなし仕入率>

業種 みなし仕入率
第1種事業(卸売業) 90%
第2種事業(小売業) 80%
第3種事業(製造業等)農林・漁業、建築業、製造業など(※) 70%
第4種事業(その他)飲食店業など 60%
第5種事業(サービス業等)運輸・通信業、金融・保険業、サービス業 50%
第6種事業(不動産業) 40%

※2019年10月1日を含む課税期間(同日前の取引は除きます。)からは、農業、林業、漁業のうち、消費税の軽減税率が適用される飲食料品の譲渡に係る事業区分が第3種事業から第2種事業へ変更されます。

 

消費税の確定申告期限

次に、消費税の確定申告の手続き方法について、ご説明します。

消費税の課税事業者は、確定申告は所得税の申告と同様で、毎年申告する必要があります。

個人事業主の消費税の確定申告期限は翌年3月31日

個人の消費税の申告及び期限は、翌年3月31日までです。

3月31日が土日の場合には、3月31日以降で一番早い平日が申告期限となります。

  • 3月31日が土曜日⇒4月2日(月曜日)が申告・納付期限

なお、消費税の納付は自主納付となりますので、税務署から納付書が送付されることはありません。

 

法人の消費税の申告期限は事業年度終了後2か月以内

法人の申告期限及び納期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。

法人も個人事業主と同様に、消費税の納付は自主納付となります。

消費税の確定申告書

消費税の申告書は、税務署の窓口か国税庁ホームページから入手できます。

また所得税と同様にe-Taxの対象となっておりますので国税庁ホームページの確定申告書作成コーナーでも消費税の申告書は作成及び印刷をすることが可能です。

申告書第一表

消費税及び地方消費税の申告書で、確定、中間(仮決算)、還付及び修正申告をする際に必要な申請書です。申告書第二表とあわせて提出します。

出典:国税庁ホームページより 一般用【令和元年10月1日以後終了課税期間分】(PDFファイル)

 

申告書第二表

申告書第一表とあわせて提出する書類です。

出典:国税庁ホームページより:申告書第二表

 

消費税の中間申告とは?

消費税には、中間申告制度があります。

中間申告に該当する事業者は、確定申告以外にも消費税の申告が必要となり、前年に納めた消費税の金額に応じて中間申告をする回数は増加します。

48万円を超える金額を納付した人が対象

中間申告書の提出が必要な事業者は、前年(法人の場合は前事業年度)の国に納める消費税の納税額が48万円を超えた事業者が対象です。

(国に納める分の消費税額は、消費税10%の場合は7.8%、軽減税率8%の場合は6.24%です。)

ですので、消費税の納付金額が48万円以下の事業者は、中間申告をする必要がありませんが、任意で中間申告をすることもできます。

年間納税で申告回数が異なる

消費税の中間申告は、前年に納めた確定消費税額(国に納める消費税)によって、申告及び納付する回数が変わってきます。

中間申告の申告するタイミングは、対象期間の末日の翌日から2か月以内です。

  • 6月末が課税対象期間の末日⇒8月末が申告・納付期限

<消費税の納付金額別の中間納付方法>

前年の確定消費税額 48万円以下 48万円超から
400万円以下
400万円超から
4,800万円以下
4,800万円超
中間申告の回数 ・中間申告不要
(任意の中間申告も可))
年1回 年3回 年11回
中間申告提出・納付期限 各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2月以内

・中間申告対象期間が1~6月の場合

6月末の翌日から2か月以内⇒8月末が申告・納付期限

下記の図参照
中間納付税額 直前の課税期間
の確定消費税額の6/12
直前の課税期間
の確定消費税額の3/12
直前の課税期間
の確定消費税額の1/12
年間申告回数 確定申告1回 確定申告1回
中間申告1回
確定申告1回
中間申告3回
確定申告1回
中間申告11回

<4,800万円超の中間申告提出・納付期限>

個人事業者 法人
1月から3月分 → 5月末日 その課税期間開始後の1月分 → その課税期間開始日から2月を経過した日から2月以内
4月から11月分 → 中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内 上記1月分以後の10月分 → 中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内

参考元:中間申告の方法(国税庁)

税務署から申告書と納付書が送付される

消費税の中間申告の対象となった事業者は、前年の確定消費税額に応じて税務署から中間納付税額を記載した「消費税及び地方消費税の中間申告書」及び「納付書」が送付されます。

なので、中間申告書をイチから作成する必要はありません。

また、税務署から送付された中間申告書ではなく、自分で仮決算をして消費税の中間申告をすることもできます。

前年と本年の消費税額が大きく変わる際は、仮決算による中間申告をすることで、中間の納付する金額を少なくできます。

ただし、中間申告の計算で消費税がマイナスになった場合でも、消費税の還付は行われず、消費税額ゼロで中間申告をします。

なお、中間申告で納めた消費税は、確定申告で申告で精算します。

中間申告で納めた消費税が過大だった場合には、確定申告で消費税が還付されます。

予定納税は義務

中間申告による予定納税は、義務です。

なので、納付期限までに消費税を納税しないと延滞税の対象となります。

延滞税の年利率は毎年変更され、令和元年の延滞税の年利は2.6%です。

また、納付期限から2か月を経過しても納付されない場合には、年利率が2.6%から8.9%(令和元年)に上がりますので、注意してください。

 

まとめ:消費税の申告は所得税以上の事前準備をしよう

まとめ

1.消費税申告とは売上や経費(仕入)のなかで受け取った消費税を計算して、国に申告すること

2.消費税を申告する必要があるのは前々年の売上が1000万円を超えている「課税業者」が対象となる

3.消費税の確定申告は2種類の課税方式から選択をする

4.消費税の納付時期は法人と個人事業主で時期が異なる。

5.消費税の納付には中間納付がある

消費税の申告には、売上に対する消費税の金額の計算と、仕入れに対する消費税の金額の計算が必要ですので、帳簿や請求書の管理は必須となります。

また、軽減税率の導入に伴い、消費税率が2種類(2019年は3種類)存在することより、今までの消費税の確定申告よりも計算が複雑です。

(2019年9月までの8%と軽減税率の8%は、国と地方の消費税の取り分が異なります)

消費税増税のタイミングは、消費税の申告誤りが多数発生する時期です。

税務署はその事実を十分に認識していますので、指摘を受けないためにも適切な消費税の申告書を作成しましょう。

税理士に相談をすることも必要かもしれません

軽減税率は、初めての導入された制度なので、確定申告期間には今まで税理士に依頼してこなかった事業者も申告書作成依頼をする可能性があります。

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税理士が作成できる申告書には限度がありますので、申告期限直前に依頼しても断れる可能性もあります。

税理士に依頼される際は、早めに連絡をして確定申告対策をした方がよいでしょう。

 

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